入社3年目と4年目の違い・第2新卒と新卒3年目の転職方法

第2新卒という言葉があります。大学や高校を卒業した後、いったん就職したものの短期間で転職を志す若者のことを指した言葉です。厚生労働省などの各種調査であったり、ほとんどの民間就職支援サイトにおいても、この言葉は使用されています。

そして、この言葉が対象とするのは、新卒入社してから3年目以前の段階で転職を希望している方々になります。では、入社して3年目という経歴には、何か特別な意味があるのでしょうか。

ここでは、新卒3年目の転職をテーマに、第2新卒で転職活動を考える上で気になることや役に立つウェブサイトなどについて考えてみたいと思います。

入社三年目で会社を辞めるべきなのか

「石の上にも3年」という言葉があります。3年というのはあくまでも長い年月を意味した比ゆ的な表現ではありますが、この諺が意味しているのは、どんなに辛くても3年も辛抱すれば必ず成功する、といった内容です。では、この諺は若者の転職においても当てはまるのでしょうか。ずるい回答ですが、これはCase by Caseです。

もし、いま転職を考えている方の悩みの原因が自分のスキル不足であったり経験不足に由来するものであれば、入社3年目で転職するのは勿体無いことでしょう。場合によっては、転職した先ではスキルを養う機会どころか、そのような成長さえ期待されない環境に陥ってしまうこともあり得ます。

一方、転職の原因が長い労働時間にあったり、自分の成長によっては改善されない職場環境に由来するのであれば、どうでしょうか。例えば、給与があまりにも少なく将来において増える見込みも無い、慢性的に人手不足で労働時間が異常に長い、そもそも与えられる仕事が自分の想定と異なっており希望する仕事を任されそうに無い…こういった状況が明らかだった場合、時間が解決することを期待することは得策ではないでしょう。

もしかしたら、場合によっては環境の変化によって悩みが解決するかもしれない。そのように受動的に事態の解決を期待するのも一手ではありますが、自分から環境を変えるために能動的に動くことも異なる一手であるべきです。その意味で、入社3年目であろうが転職という選択肢は常にあり得るべきです。

三年目と四年目で転職するときの違い

第2新卒という概念が広く日本社会で普及していることは冒頭で記しました。皮肉な話ではありますが、第2新卒という概念が普及しているからこそ、第2新卒である入社3年目と4年目との間には区別がある、ということができます。

これは採用側の心境にたって考えてみると分かりやすいです。

厚生労働省が調査した「平成25 年若年者雇用実態調査の概況」では、15歳から34歳までの若年労働者の離職理由や雇用者側の(再)雇用時の選考で重視した点などがまとめられています。ここでは、新卒と第2新卒をひとまとめにした「新規学卒者」に対しては、“職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神”などが高く求められており(82.9%)、ついで“コミュニケーション能力”(67%)、“マナー・社会常識”(63.8%)、“組織への適応性”(54%)などが続きます。これらは抽象的な諸個人の素養で、いわゆる“ポテンシャル採用”として着目される基礎素養だといえるでしょう。

一方で、直ぐに職場で即戦力として期待されるような“業務に役立つ職業経験・訓練経験”は目だって注目されていません(13.1%)。これに対して、入社4年目以降をまとめた「中途採用者」ではどのような変化があるのでしょうか。

序列の変動はありますが、“職業意識・勤労意欲・チャレンジ精神”(74.7%)、“マナー・社会常識”(61.8%)、“コミュニケーション能力”(55%)、“組織への適応性”(53.6%)と、入社3年目以前に転職を試みる新規学卒者と同様の項目が重視されています。

そのほかの項目も大体が新規学卒者と同程度に重視されているのですが、1項目だけ顕著な変化があります。“業務に役立つ職業経験・訓練経験”です(37.9%)。新規学卒者のそれと比較して、3倍近く重視されている状態です。

勿論、4年目とそれ以降(5年目、6年目…)の年次を分解して詳細な比率を出すことができれば、もう少し異なる傾向が見えてくるかもしれません。また、会社によっては4年目も第2新卒のように取り扱うことがあるのかもしれません。そのような仔細な状況はこの統計発表からは読み取れません。ですが、より重要なことは、世間的には4年目以降は「中途採用者」という枠で捉えられ、3年目以前の第2新卒とは異なる集団として認識されているということです。

具体的には、以下のような違いが転職活動の中で生じると考えることができます。例えば、エンジニアから転職しようとするとき、入社3年目の応募者と10年目の応募者では採用者側からの期待値が異なることになります。

経験を尊ばれる中途採用のエンジニアの場合は扱える言語やマネジメントの経験が尋ねられることでしょう。第2新卒の若者にも得意言語についての質問はあるかもしれませんが、そこでの応答がエンジニアとしての即戦力であるか否かを判断するための会話ではなく、その者の素養を問うための会話であると考えるべきです。

3年目で行う転職と4年目で行う転職とでは、雇用者が求めてくる能力・経験に違いが出てくると考えるのが妥当だといえるでしょう。

転職したくなる理由ランキング

先にも引用しました「平成25 年若年者雇用実態調査の概況」では、15歳から34歳までの若年労働者の離職理由も掲示されています。複数回答可能な調査結果に対し、新卒3年目で転職した人々の20%近くが挙げた理由は、以下の4項目でした。

【第4位】人間関係がよくなかった (19.2%)
【第3位】仕事が自分に合わない (19.9%)
【第2位】賃金の条件がよくなかった (23.3%)
【第1位】労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった (25.5%)

また、「平成25 年若年者雇用実態調査の概況」を元に第2新卒(入社0ヶ月~3年まで)の転職理由の単純平均を算出すると、凡そ以下のような順位になります。

【第4位】賃金の条件がよくなかった (20.4%)
【第3位】人間関係がよくなかった (23.7%)
【第2位】仕事が自分に合わない (25.5%)
【第1位】労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった (25.7%)

さらに、この4項目は若干の順位の入れ替えはあるものの、若年労働者全体の離職理由のTOP4でもあります。加えて、これら4項目が全体に占める割合は常に似通っており、大体が20%前後という高い結果になっていました。唯1の例外は、入社半年以内の転職理由です。

そこでは、“仕事が自分に合わない”を理由に挙げたのが、入社3ヶ月未満で48.5%、6ヶ月未満で30.8%と非常に高い割合になっています。また、“人間関係がよくなかった”も同様に、入社3ヵ月未満で35.3%、6ヶ月未満で37.5%とこれも高い比率を占めています。

このようにしてみると、新卒3年目にもなると、それ以降の中堅層と同じような悩みを仕事に対して抱き、そして転職に踏み切っているようです。

転職するのにベストなタイミング

転職する上で最適なタイミングを具体的に語ることは簡単ではありません。理由は2つあります。

1つ目は、何を持って“最適”であるかの決まりごとがないことです。たしかに、ヘッドハンターや転職支援サイトからすると、希望者を“迅速に・高く・希望する業界”に再就職させることが成果となりえますので、“早さ・年収の高さ・クライアント満足度”などが最適さのバロメーターになるでしょう。

一方で、転職する側の状況はまちまちです。大急ぎで転職したい人もいれば、とにかく年収を高くしたい人もいるでしょうし、憧れの業界へにチャンレンジしたい人もいる一方で、どうしても今の仕事が合わないという人もいるから転職したい人もいるでしょうし、親の看護や結婚などの環境変化によって転職を余儀なくされている人もいます。そのような状況を考えると、客観的に“最適な転職タイミング”を語ることは難しい、といわざるを得ません。

2つ目は、転職する年代によって転職者・雇用者双方が求める期待が異なることです。雇用者側は大きくはポテンシャル採用としての第2新卒、即戦力としての中途採用に分けて採用に臨みます。それに合わせて、転職者側は(マネージメント)経験であったり特別なスキルや資格を養いアピールすることが求められます。

もちろん、雇用者側からの期待値が上がる分、転職者側も年収や希望するポストなど要望を叶えるチャンスも増します。いずれにせよ、ここで重要なのは、転職希望者がどのような年次・経験・スキルを有しているかに応じて転職に向けた準備も戦略も変わってくるということです。

上述の次第で、十把ひとからげに転職するのに最適なタイミングを語ることは簡単ではありません。あえて転職するのに最適なタイミングを語るとすると、それは転職者自身が自身の置かれた状況を適切に理解し必要な準備を整え終わったとき、であると云えるのではないでしょうか。

転職が決まりやすいタイミングはあるのか

一方で、雇用する側の都合で考えると、転職の採用決定が下されやすい時期というものがあります。一般的には4月と10月の前後、あるいは1月と7月の前後に転職者雇用の需要が高まると云われています。4月と10月というのは人事異動が多い時期なので、新たな採用を考える必要が生じえます。

また、1月と7月というのは賞与が出た後で既存社員が転職を考えやすい時期になり、これも新たな採用を考える必要が生じえるタイミングです。

特に第2新卒の転職という点では、これらに加えて転職後の研修過程ことも考えてよいかもしれません。その場合、7月~10月よりも1月~4月のほうがより旺盛な転職需要があると考えることができそうです。

雇用者側の企業としては、第2新卒は即戦力ではなく新卒採用と同じようにポテンシャル採用している状態です。そのため、入社後の数ヶ月は新卒採用者と同様かあるいは少し簡略化した研修過程を設けているのが一般的です。このとき、新卒採用者と同じ研修内容のものは第2新卒・新卒と分けることなく1緒にやってしまいたいはずです。

概ね、新卒採用者への研修は最初の1ヶ月は一般的なビジネスマナーなどの基礎研修、その後の数ヶ月は各社固有の研修過程になります。第2新卒者はビジネスマナーについてはある程度の基礎があると目されるため、研修は必要とされません。必要なのは、その次の固有の研修過程です。

そして、それは5月~6月ころに行われるわけです。そうなると、7月~10月よりも1月~4月に採用したほうが合理的である、と雇用者側は判断しやすくなります。

無論、これはどのような研修が必要であるのか、研修時期は年に1度しかないのか、その企業は秋採用を行っていないのか、などの状況によって変化します。あくまで考え方の一例と捉えていただく必要があります。

20代で転職すべきタイミング

決して忘れてはいけない前提として、欧米のようなキャリアアップと転職が密接に関係しているわけではない日本において、転職そのものは無条件に積極的に推奨されるものではありません。それでも転職をしたい場合の話として、20代であれば第2新卒の間に転職すべきだと考えられます。

第2新卒(25歳前後)での転職の場合、ポテンシャルが重視されることは上述したとおりです。どうしても20代での転職を志すのであれば、このタイミングがベストでしょう。

一方、第2新卒の時期を過ぎると、世間的には中途採用の扱いとなります。雇用者側から求められる内容が素養だけでなく、経験やスキルといった社会人としての能力が問われることになります。また、転職の競争相手になるのも同様に“中途採用”の人々になるので、より本格的な競争が始まると考えてよいでしょう。
果たして、20代後半という僅か5年や6年のキャリアで、この中途採用の転職市場で勝ち抜いていくことができるのでしょうか。

余程秀でたキャリアやスキルがある場合は、キャリアアップの1つの手段として転職を志すのは良い選択といえそうです。特にエンジニアやプログラマのように手に職がついているようなキャリア形成を行ってきた場合、自分の能力に見合ったポストを転職によって勝ち取ることは合理的であるとさえ言えるでしょう。

一方、もし自分の社会人暦を振り返って特に秀でたものがないのであれば、20代後半は自身のキャリアやスキルを磨いて将来の転職につなげる準備期間とすることが合理的だといえます。もちろん、希望年収を下げるなどの妥協ができるのであれば、自身の経歴に目立つものが無かったとしても転職先を見つけることは可能でしょう。ですが、余程の事情が無い限りは、最初から妥協を必要とするような転職は志すべきではありません。

30代以降の転職のタイミング

企業における働き盛りである30代の転職となると、目に見えて成果が求められるようになります。例えば、30代前半だと実務経験や実績から即戦力であるか否かが問われますし、また交渉能力やプレゼンテーション能力なども求められます。採用側の企業は将来において業務の中核を担いうる人材を求めて採用することになるでしょう。30代後半になると、そこにさらに人的ネットワークなどが加わることが想定されます。

いずれにせよ、30代以降の転職では具体的な成果が評価ポイントになります。そのため、転職のタイミングは現職において自分が何らかの目に見えた成果を残したときが最適だといえます。例えば、前職で管理職になった場合、直ぐに転職をするのではなく2~3年は管理職として研鑽を積むことが望ましいです。そこで得た管理職としての実績が、転職においてアピールできるポイントになるためです。

入社三年以内の転職は不利なのか

同じような採用基準である新卒採用と比べて第2新卒の転職活動が優遇されることはありませんので、その意味で不利であるとは言えます。確かに、冒頭で「3年以内既卒者等採用定着奨励金」という助成金制度が存在する旨を記しました。

これにより、第2新卒の需要が増すため相対的に有利になる、と考えることもできるでしょう。ですが、このような助成金が必要になるということは、それだけ第2新卒の募集が多くは無く、恵まれた環境にはないという現状を示しているともいえます。

しかしその一方で、中途採用の枠とは異なり実務上の経歴や即戦力としての高い能力を求められているわけではありません。そのため、仮に第2新卒で能力の高さや前職での際立った経歴がある場合は、むしろ有利な転職が可能になる可能性はあります。雇用する企業からすると、ポテンシャル採用のつもりだった第2新卒枠から目に見えて能力がある候補者が現れるわけですので、衆目を集めることは明白です。

転職はどのようなタイミングであれ、決して安易に望めるものではありません。自分自身の強みを磨いたり、転職の専門家に相談して戦略的にタイミングを計るなどして、念入りに準備するの越したことはないでしょう。

転職して失敗した事例

大手の転職支援サイトに行くと、転職の成功事例だけでなく失敗事例も知ることができます。その中でも、転職直後にまた新たに転職を繰り返すケースは明確に失敗事例として取り上げられています。

それらは、例えば社風は問題なかったのだが与えられた仕事内容が期待と異なっていたり、あるいは得られる年収は期待通りだったのだが自分自身のスキルがあまりにも足りていなかったりと、いずれも想定違いが原因で再度の転職を志すという特徴があります。

周りを見渡したとき、転職入社した人がまた転職するということは珍しくないのではないでしょうか。事前調査や自身の切磋琢磨などの準備には限られた時間しか避けないものです。だからこそ特に自分にとって譲れない部分であったり他に引けをとらない強みであったり、逆にそうでない部分を明確に整理し、それぞれに優先度をつけて緩急をもった転職活動をしないと、状況の好転は望めないのかもしれません。

転職活動における“軸”の必要性が説かれるのは何も採用面接のためだけではなく、転職した後においても必要だからなのです。

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