元請け会社と下請け会社の違いとは|転職時に注意するべきこと

元請けと下請けの違いは?

IT業界や建設業界などで「元請け」「下請け」という言葉がよく使われます。
どちらも、依頼主からの仕事を請け負う契約の流れを表した言葉です。

元請けと下請けの違い

まず「元請け」というのは、依頼主から直接仕事を請け負うことを言います。また、依頼主から直接仕事を請け負った業者そのものを「元請け」と呼ぶこともあります。

「下請け」とは、依頼主ではなく元請けの業者から仕事を請け負うことです。また、下請けを行う業者そのものを「下請け」と呼びます。

つまり、元請けと下請けの違いは「仕事を誰から請け負っているか」という一点につきます。依頼人から仕事を請け負うのが元請け、その仕事を元請けから請け負うのが下請けです。

わかりやすいように例を出しましょう。
Aさんは、自宅のリフォームをB社に依頼しました。B社は工事を引き受けましたが、水道工事に関わる部分だけはC社に依頼しました。

この場合、依頼人であるAさんと直接契約を交わしたのはB社です。つまりB社が元請けの会社ですね。一方、B社は工事の一部をC社に依頼しています。元請けから仕事を請け負ったC社は下請けの会社ということになります。

元請けと下請けは仕事効率をあげる

元請けと下請けは、大きな仕事をいくつかの業者に分けることで効率良く依頼を完遂するための仕組みです。また、下請けがさらに他の業者に仕事を依頼する場合、下請けから仕事を請け負う業者のことは「孫請け」といいます。

元請けと下請けの間でトラブルはあるのか

少なからずトラブルはある

元請けや下請けといった仕組みは、様々な業種で日常的に使われています。
仕事を効率的にこなすためには大変便利な仕組みですが、元請けと下請けの間にはしばしばトラブルが発生することがあります。

なかでも多いトラブルは金銭関係です。元請け、下請け、孫請け…と、ひとつの仕事に関わる業者が増えれば増えるほど、それぞれの業者が得る利益は減っていきます。あらかじめキチンとした取り決めをしておかなければ、下請けや孫請けの企業が正当な報酬を得られない可能性が高くなってしまうのです。

例えば、ある依頼人が100万円で元請けの企業にシステムの開発の仕事を依頼したとします。元請けの企業は、仕事の一部を下請けに回しますが、もちろん100万円の開発費全てを下請けに渡すわけにはいきません。

一定の利益を確保した上で下請けに依頼しなければならないため、30万円で下請けに依頼したとします。下請け会社は仕事を請け負いますが、仕事を進めるうちに想定外の作業が発生し、30万円では採算が取れないことに気付きます。

そこで下請け会社は元請けに開発費の追加を求めますが、元請け会社としても、これ以上開発費がかさむと赤字になってしまうため、お金を出せません。

こうなれば、しっかりと仕事を完遂したにも関わらず、下請けのもとには赤字だけが残ってしまうことになるのです。上記は例え話ですが、元請けと下請けの企業の間では実際にこのようなトラブルが起き、中には裁判に至った事例も少なくありません。

元請け企業が損害を被ることもある

また、正当な予算を貰えなかったことに腹を立てた下請け企業が業務を投げ出してしまったことで、元請けの企業が損害を被ることもあるようです。

トラブルを避けるためには、仕事の請け負うための契約の時点で、想定外の事態に対してどのような対応をするのか、業者間であらかじめ取り決めておく必要があると言えるでしょう。

元請けと下請け間の契約で注意すべきこと

書面上の契約をしっかりと取り決めておく

元請けと下請けの間で仕事をやり取りする場合、あらかじめ書面上で契約を取り決めておく必要があります。

意外に多いトラブルの原因として、顔見知りの業者同士が口約束で仕事を依頼したため、仕事が終わったあとに正当な報酬が支払われなかったというケースがあるためです。

注意したいのは、万が一元請け会社から下請け会社に1円の支払いもなされなかったとしても、下請け会社にはその代金を依頼人に直接請求する権限が無いという点です。

「依頼人から元請け」「元請けから下請け」という流れで行われた仕事の場合、法律的には「依頼人と元請け会社」「元請け会社と下請け会社」という2つの請負契約が発生しています。

そのため、下請け会社と契約しているのは元請け会社であり、下請け会社と依頼人には直接の請負契約がありません。いくら下請け会社が赤字で困ったとしても、下請け会社が報酬の支払いを求めるできるのは元請け会社に対してのみであり、依頼人に直接請求することはできないのです。

このように、下請け会社は一般的に元請け会社よりも弱い立場にあります。

元請けは依頼人から前払い金を受け取った時点で一定の前払い金を下請けにも支払わなければならないといった、下請けの権利を守る法律もありますが、元請けが倒産してしまった場合など、どうしても下請けが赤字になってしまうケースがあります。

そのため下請けは、元請けから仕事を請け負うときには資金回収ができなくなる可能性もある程度視野に入れておく必要があるでしょう。

余裕を持って資金繰りをする

元請け側は、想定外の業務発生に伴って下請けから資金の追加を求められた場合、どの程度まで資金を追加することができるのか、またそれが正当な理由による資金追加要請なのかという点を見極めなくてはなりません。

最初からギリギリの資金繰りで仕事を進めていると、下請けからの資金追加の要請を突っ撥ねざるを得なくなり、結果として下請け会社が仕事を投げ出すというケースもあり得ます。

こうなれば元請け会社は、大赤字を抱えたまま仕事を進めなくてはならなくなります。元請けも下請けも、それぞれリスクを抱えて仕事をしています。

互いの信用がなければ、別々の業者が協力して大きな仕事を完遂することはできません。トラブルで双方が損を負わないようにするためには、契約内容が正当なものであることを確認するため、元請けから下請けに仕事を回すときには必ず正式な請負契約を結んでおきましょう。

下請け会社の過失は元請け会社が責任を負うのか

元請け会社が責任を負わなければいけないケースもある

元請け会社が下請け会社に仕事を依頼するとき、万が一下請け業者が何らかの過失を犯した場合は、その責任を元請け会社が負わなければならないケースがあります。どのような場合に元請け会社が下請け会社の責任を負うのか、一例を見てみましょう。

「Aさんが自宅のリフォームをB社に依頼しました。B社は工事を引き受けましたが、水道工事に関わる部分だけはC社に依頼しました。

1ヶ月ほどでリフォームは完了しましたが、後日C社が担当した風呂場に水漏れが発見されました。この水漏れによりAさん宅の電化製品がいくつも水濡れで故障し、100万円の損害が出てしまいました

この例の場合、AさんはまずB社に苦情を入れます。
Aさんがリフォームを依頼したのはB社であり、C社がどの程度関わったのかはAさんにはわからないからです。水漏れは全面的にC社のミスによるものですが、この場合、Aさんに対してはB社が損害賠償を行う必要があります。

なぜなら法的に、下請けの過失は元請けの過失と同視されることが多いためです。元請け会社は、下請け会社を使って仕事を行うことができます。

しかしそれは、法的に下請け会社が元請け会社の手足のようなものであると考えられているためであり、下請け会社がミスをしたことは、元請け会社の過失とみなされるからです。

そのため、直接的な原因が元請け会社に無かったとしても、依頼主に対してはまず元請け会社が損害賠償を支払わなくてはならないのです。

実際にいくらの金額を支払う必要があるのかは、弁護士を通して査定するか裁判で決着をつけるまでわかりませんが、もし100万円全額を支払う必要があると査定された場合は、元請け業者が全額支払うのが一般的です。

下請けも責任を負わなければいけない

では、下請け会社は何の責任も負わないのかというと、当然そんなことはありません。元請け会社が損害賠償を行うのは依頼者に対してであり、この件で元請け会社が受けた損害は、下請け会社に対して請求することが出来ます。

下請け会社にとって元請け会社は依頼人であり、元請け会社が依頼人に対して速やかに損害賠償を行ったように、下請け会社も元請け会社に対して損害賠償の責任を負わなくてはならないのです。

こちらも実際に支払うべき金額は弁護士の査定か裁判の結果しだいですが、元請けが依頼人に対して支払った全額を下請けが負うケースは少ないようです。

最終責任は下請けにありますが、下請け会社に依頼を出した元請け会社にも責任はあるため、依頼人に支払った賠償金額の数割を下請け会社が元請け会社に払うことで和解を図るのが一般的です。

裁判になることもある

元請け会社が「ウチに責任はない」と言い張って裁判に持ち込むこともできますが、その場合も元請け会社の言い分が認められることは少なく、裁判にかかった費用と合わせるとより大きな損害になってしまいます。

元請け会社も下請け会社も、過失があれば速やかに責任を認め、それぞれが責任を負うのが無難だといえるでしょう。

下請け会社から元請け会社への転職は可能なのか

能力次第では下請けから元請けに転職することは可能

一般的に、下請け会社は元請け会社よりも立場の弱い存在です。依頼人から提示された金額をそれぞれが分け合うような形になるため、下に行けば行くほど利益は減ってゆく傾向にあります。

そのため、下請け会社で働く社員は元請け会社の社員よりも勤務条件が悪いということも珍しくありません。

下請け会社では重要な仕事を任されにくいため出世しずらいことや、元請けに比べて利益が得られにくいため給料が少なくなるのが普通です。

そこで、下請け会社の社員が元請け会社に転職を志すというケースが少なくありません。実際のところ、元請けと下請けは同じ業種なので、能力がある人物なら転職は不可能ではありません。

下請けから元請けへの転職には難点もある

難点があるとすれば、元請け会社は普通、下請け会社よりも大きな会社であることが多いため、入社は容易ではないということです。一流企業には、経験豊富な人材や、能力のズバ抜けた人材が集まります。

あえて下請けからキャリアをスタートするという選択肢も

そうした人々が集まる企業でも活躍できるだけの力さえあれば、下請けから元請けに転職するのは悪くない決断であると言えるでしょう。

また、あえて最初は下請け会社に入社して数年間経験を積み、その業界に精通した人物に成長してから元請け会社に転職するという方も少なくないようです。

下請け会社から元請け会社へ転職する時の方法

下請けから元請けへの転職には「暗黙のルール」がある

会社間の関係や業種にもよりますが、一般的に下請け会社から元請け会社に転職するのは「暗黙のルール」で敬遠されることが多いようです。

同じ業種間で会社だけ移動することは、前の勤務先に対して不満があったと言っているようなものですし、採用する会社側としても前の勤務先に気を使って採用しづらいという一面があります。

色々な工夫をしよう

そのため、狭い業界ほど下請け業者から元請け業者に転職するのは難しいと言えるでしょう。ただし企業としても、能力のある人物なら引き入れたいのが本音です。

そこで、下請け会社から元請け会社に転職するためには「採用企業が前の勤務先に気を使わなくて済む状況」を作るのがひとつのポイントになります。

考えられる方法として、下請け企業を辞めるとき「給料が少ないから」といった本音は隠して「別の業種に移るため」といった理由を話します。そして、実際に1年間は別の業種で仕事をしてしまうのです。その間に、元請け会社に採用される確率を上げるために資格取得などを行っておいても良いでしょう。

その後、1年経ってから再就職活動として元請け会社の面接を受けます。そうすれば前の勤務先に不満があって辞めたというわけではなく、「一度別の業種に移ったが、やはりこの業界で活躍したいと思った」という理由が使えるようになるのです。

この状況なら、元請け会社も下請け会社に気を使うことなく採用しやすくなります。

ヘッドハンティングされるというケースもある

その他に、下請け会社から元請け会社に転職する方法として、元請け会社からヘッドハンティングされるというケースが考えられます。この場合は、有難く申し出を受けてしまってもよいでしょう。

優秀な方が下請け会社から元請け会社に引き抜かれるというのはよくある話です。元請け会社と下請け会社の間柄が険悪でなければ、引き抜きに応じても問題はありません。もしも今の会社よりも良い条件でヘッドハンティングの話を受けたなら、なかなか無い機会なので検討してみましょう。

元請け会社から下請け会社へのパワハラはあるのか

人間関係によるトラブルはある

下請けが元請けに対して強く出ることが出来ないことを悪用して、元請けが下請けにパワハラじみた言動や行為を行うというケースがあります。

元請けと下請けのトラブルで最も多いのは金銭関係だといわれていますが、それに次いで起こり得るのがこうした人間関係によるトラブルです。

下請け会社にとって、元請け会社はいわば依頼主やお客様のような存在です。そのため、元請け会社の担当に恫喝されたり嫌がらせを受けても、下請けの社員は我慢せざるを得ない状況が生まれやすいのです。

トラブルは早急に解決しよう

しかしこうしたトラブルは放置しておくと、どんどん増長していく傾向があります。一方的な要求を受け続けると、調子に乗った元請けの会社があきらかに不当な仕事を回してくる可能性もあります。

こうしたトラブルを未然に防ぐためには、少しでも不当な扱いを受けたと感じた時点で証拠をとり、元請け会社の上司などに相談する必要があります。

多くの場合、パワハラを行うような社員はごく一部で、上層部にかけあえば該当社員に注意したり、担当を変えてくれるものです。元請け、下請けという関係にとらわれず、ビジネスは対等な関係で行われるべきです。

もしも不当な扱いを受けた場合はすぐに対処し、元請け会社の対応が悪ければ関係を断ち切る、法的措置に出るなどの勇気ある行動が必要になります。

元請け会社が下請け会社に仕事をさせるメリットは?

元請け会社と下請け会社の間には、金銭関係や人間関係でしばしばトラブルが起こります。しかしそれでも元請け会社が下請け会社に仕事を依頼するのは、れっきとしたメリットがあるためです。

一時的に数倍の力が出せる

例えば、ある元請け会社には100人の従業員がいるとします。依頼主から受けた仕事が、100人全員で取り掛かれれば終わる規模のものなら、元請け会社は自分たちだけの力で仕事を完結させます。

しかし、依頼主から200人分の仕事を受けた場合は、下請け会社に100人分の仕事を回すのです。最初から200人雇っておけば済む話では?と思われるかもしれませんが、そうすると100人分の仕事しか無いときには人件費が赤字になってしまうのです。

元請け会社は、仕事の大きさによって下請け会社を利用することで、自分たちが持つ力以上の大きな仕事を担当することができるようになるわけです。

下請けに回すことによって利益が増すこともある

また、自分たちでやるよりも下請けに回したほうが利益が大きい場合もあります。自分たちが持っていない設備や専門知識を、下請け会社が持っている場合があるからです。

一から道具を揃えて、使い終わった道具を処分する手間を考えると、最初から専門の下請け会社に任せたほうが効率が良いのです。これらはまだまだ一例で、元請け会社が下請け会社に仕事をさせることには様々なメリットが考えられるのです。

下請け会社が元請け会社から仕事を受けるメリットは?

直接依頼人を探す必要がない

下請け会社にも、元請け会社から仕事を受けるメリットがあります。第一のメリットは、大きな会社から仕事を受けることで、直接依頼人を探す必要がないことです。

仕事を依頼してくれる依頼人は、ほとんどが安心感を求めて大きな会社に仕事を依頼します。その業界に詳しくない依頼人は、CMをやっている会社だったり、業界NO1と言われる会社に依頼を持っていくわけです。

そのため、小さな会社にはなかなか仕事が回ってきません。しかし下請け会社としての側面を持っていれば、依頼人が企業に持ってきた仕事を分けてもらえる形になるのです。

元請け会社と関係をもっておくことで、小さな会社でも仕事に困らず経営していくことができるというわけです。

営業費用がかからない

また、依頼人を探さなくてもよいということは、営業費用がいらないということです。元請けと呼ばれる大手企業には、依頼人に直接仕事を貰うための営業マンが多く在籍しています。

依頼人を集めるために、直接仕事の提案をして回ったり、CMをうったりと、莫大なお金をかけて宣伝しているわけです。

しかし下請け会社なら、依頼人を探すための営業を直接行う必要はありません。営業マンを雇う必要も、CMを放送する必要もありませんので、人件費や広告費に関わるコストが最小限に抑えられるのも下請けのメリットです。

元請け関係から抜けるためには

大規模なシステム開発をするような現場では、元請けや下請けが存在するでしょう。この元請け関係から抜け出すような転職をするには、どんな企業がよいのでしょうか。

それは自社サービスを開発しているような企業でしょう。何を、いつまでに、どんな技術を使って開発するかを自社で決め、スピード感を持って開発するようなWeb・ゲーム業界がおすすめです。

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