システムエンジニアの目標設定|設定例と注意点と目標がないときの対処法

システムエンジニアの目標設定の仕方

現代ではシステムエンジニアに関わらず様々な業種で「目標設定」という言葉が用いられています。目標を設定することで労働における方向性が定まり、マンネリ化せずに仕事をすることができ、より効率的な組織運営が期待されているのでしょう。

ですが、目標設定はあくまで過程であってゴールではありません。適切に目標設定について理解してからシステムアンジニアとしての目標設定について考えていきましょう。

無理のある目標設定の場合

目標設定というのは成功体験と表裏の関係にあります。到底達成できない目標を掲げてそれを目指して邁進するというのは苦しくきつい道のりとなるでしょう。

例えば、1日あたり1件の成約すら難しい業種の営業職の方が「月あたり50件の成約」を目標として設定した場合を考えてみます。

この方が3日に1件、5日に1件というペースで成約を続け、結果的に月8件の契約を結んだとしましょう。それは目標としていた50件の成約よりも劣った結果と言えます。そのためこの方は意気消沈するはずです。

やがて、「失敗し続けている。俺は最低の営業だ…」といったように自分を責め、仕事に支障が出るほど心理的なプレッシャーに苛まれるかもしれません。

適切な目標設定がなされている場合

また、同じ方が「月5件の成約」を目標設定した場合には、良い効果をもたらすはずです。月8件のペースで実際に成約をすることができれば、毎月、目標を達成したという成功体験を得ることができますし、次の目標として月10件の成約を目指すようになるでしょう。

そして、「自分は月5件の成約という目標をしっかりと達成した。成長している」という成長を自覚することができ、それは仕事への意欲に結びついていくはずです。

このように、目標設定は成功体験を味わうことが前提とされている取り組みです。適切な目標設定をすることで良い影響をもたらし、不適切な目標設定は悪い影響を与えるでしょう。

まずは、自分が成功できる目標設定を見つけることから始めなければいけません。自分が携わっているシステムエンジニアの業務の中で、成功できそうな目標を探ってみましょう。しかし、システムエンジニアは少し目標設定を探るのが難しい職種と言えます。

システムエンジニアの目標設定が難しい理由

システムエンジニアは他の業種に比べて明確で分かりやすい成果がありません。分かりやすい成果というのは、例えば先述した営業職でいう「成約数」となります。

成約数が1上がれば良く、1下がれば悪い、という明確な目標基準です。ですが、システムエンジニアは営業職では無いですし、チームで動くため仕事の件数は個人で左右できるものではありません。明確な指標が無いため、システムエンジニアは目標設定が難しいと言えます。

また、システムエンジニアが営業と技術者の両輪に挟まれた形であることも目標設定を難しくしている原因と言えるかもしれません。顧客と交渉し、プログラマーのために設計するという曖昧な立場であるために明確な目標を立て難いのです。

顧客との目標を優先しても、技術を優先しても、技術者と営業のどちらかに苦言を呈される可能性があるからです。SEは立場的にも目標設定が難しいのです。

営業的な性格と技術的な性格という2つのわらじを履くシステムエンジニアが目標設定をするとき、「会社」と「個人」の間で目標設定がぶれることもあります。会社にとって利益のある目標と、個人にとって有益な目標は、往々にして異なることがあります。

個人としては技術を磨きたくても、会社が顧客とのスムーズな交渉を期待している場合、良い状況とは言えません。もしその会社で働き続けるのであれば、会社の目標を汲み取り優先的に考えていく必要があります。

このように、システムエンジニアは成果として明確な指標を持たず、また営業的でありつつ技術的な曖昧な立場であることから目標設定が難しい業種と言えます。会社と個人の意識がズレてしまったら、いくら個人的な目標を達成したとしても会社は良い顔をしないでしょう。

もしかすると「折角目標を達成したのに会社に否定された」という風に失敗体験としてとらえてしまうかもしれません。そうなると労働意欲が低下し、生産性そのものが落ち込んでしまうことも考えられます。

そこで次は、いくつかSEの適切な目標設定の例を見ていきましょう。

システムエンジニアの目標設定の例

今まで見てきた目標設定の難しい点を整理しつつ例を見ていきましょう。まず分かりやすい要素として、「会社としての目標」と「個人としての目標」が別であるという事が挙げられます。

もし、会社が「会社としての目標」を求めてきた場合、あくまで会社を主体とした目標を考えるようにしましょう。この場合、一旦目標から個人の目標を取り去ると良いでしょう。会社の構成員である自分がどう会社に貢献できるかを考えてみるのです。

会社は通常、秩序立った組織で構成されています。社長、部長、課長というピラミッド型の社会です。そして上の役職に居る人物の目標は下の役職の労働によって叶えられるものです。

例えば、社長が「売上げ○○万円」を目標として掲げたら、各課長はそれを分担し各部長もそれぞれ売上を細分化していき、やがて平社員のノルマとして提示されるわけです。この例は少し単純な形ではありますが、会社組織の目標設定は通常、上から下へと流れていくようなものであると言えます。

こうして考えると、システムエンジニアが会社から目標設定を要請された場合、まず行うことは上司の目標を聞き出すことです。そうすれば、それを叶えるために自分ができることが自ずと見えてくるはずです。

もしそれが「早期の納品」であるなら、自分の目標設定は「過去の納期日数よりも早く仕上げる」ことにすることができます。このとき、より具体的にしたいなら過去の自分のデータを調べると良いでしょう。

例えば、1月あたりの設計書の枚数が記録し、その枚数よりも多く仕上げるように目標を設定すれば良いのです。

また、もし上司が「目標は自分で見つけるものだ」と言うならそれは個人的な目標を期待しています。会社が社員に目標設定を要請しておいて会社としての目標設定を提示しないというケースはやや不安が残るものですが、ともかくその場合は自由に自分の興味のある技術的問題について取り組むと良いでしょう。

後々「それは会社の利益になるのか」と言われる恐れがあるならば、業務に関係する技術的問題を提示すれば問題無いはずです。例としては「設計書を書く方法の習得」や「テスト環境についての理解」となるかもしれません。

システムエンジニアが目標設定するときに注意すべきこと

目標設定は成功体験を前提とした行為です。例えば目標設定として「設計書の枚数を月あたり○枚書く」だった場合を考えてみましょう。このときに忘れてはいけないのが「達成可能な枚数」であることです。

高い目標を掲げてわざわざ失敗体験を積み重ねる必要はありません。成功体験を得られるように、無理な目標を立てず自分の能力とそれについやせる時間を計算し設定しましょう。

また、個人的な技術的問題についての目標設定をする際には、後々それが会社の利益に結びつくような理由を考えておくと上司に説明しやすくなります。

例えば、プログラム言語の習得を目指す場合は「プログラム言語に精通することでより品質の高い設計をすることができ、プログラマーの負担が減り納期が短縮される」といった具合です。この線で行けば誰でも納得するはずです。

以上のように、システムエンジニアが目標設定をする際に気をつける事は「成功できる範囲の目標設定」と「組織への理由の紐つけ」です。

1つ1つ問題になりそうな箇所を見て考えていけば適切な目標設定をすることができるでしょう。目標設定が難しい業種ではあるのですが、目標設定できないわけではありません。注意点を考慮しつつ考え抜けば目標は見つかるはずです。

システムエンジニアにとって目標設定シートは役立つのか

会社が提出を要請する「目標設定シート」というものが存在します。利益率の向上や納期の厳守をするためにどういった事を目標として掲げるか、が問われるのですが、このシートの扱いは会社によって異なります。

目標達成の度合いが評価に連動するところもあれば、実質的は意味が無くとも上司との話のタネにするというところまで様々です。まずは自社における目標設定シートがどのような意味付けをされているのかについて探ってみると良いでしょう。

もし、目標設定シートが実質的な意味合いがあり、評価に繋がるものであったなら上司のサポートを受けるべきです。正常な運用がなされている場合には適切な返答が期待できます。

もし、上司が対応してくれないのなら自分で考えることになるでしょう。その場合は例えば「利益率の向上」という個人の社員に対してはややあやふやな目標に対して自分ができることを述べれば良いはずです。

回答例としては「設計ミスを減らし品質の良い設計書を書く。過去のデータによると○件のミスがあったため、今期では△件以下に抑える」といったものとなります。具体性があればより分かりやすいものとなるため、評価に繋がるでしょう。

ただ、目標設定シートがシステムエンジニアにとっての成長に本当に有効な仕組みかというとそうは言い切れません。シートが形骸化している企業もあり、その場合には真面目に取り組む必要性は無いでしょう。本質的な成長を考えて目標設定を行うなら、シートではなく自発的な目標設定が望まれます。

また、会社として目標設定を部下に掲げる場合には上司との協力が不可欠です。トップが定めた目標を下がこなすというのが会社という組織なのですから、上司が目標を提示するのが本来の姿と言えるでしょう。

こうした事情もあり、目標設定シートはシステムエンジニアの成長にとって重要な項目とは言えません。どちらかというと形式的な意味合いが強いものです。

それよりも、上司や同僚、チームでのミーティングによる目標設定の方が会社としての目標に適っています。また、技術的な目標設定も個人で行う方が有効でしょう。あまりシートに捕われずに目標設定をしていく事が重要です。

システムエンジニアが目標がない時の対処法

業務に慣れていない場合に「目標がない」と感じるときは、目標が見つかっていないだけです。システムエンジニアは膨大な領域をこなすことになるため何をこなせば良いのか分からなくなるのも仕方ありません。こうしたときには一旦冷静になって自分が今現在行っている仕事における問題点を探ってみましょう。

例えば、テストについて集中して考えてみるのです。テストについて手順通りに動かしているだけならテスト自体について学ぶ必要があります。テストを一体何のためにやるのか、テストはどういった仕組みで動作しているのか、テストの環境はどういった構造なのか、といったことを把握するように努めましょう。

それが最早一つの目標となるはずです。また、テストについて理解をすればする程、扱いやすくなりますし新しい疑問も湧いてくるはずです。そうなれば新しい疑問を解決するという目標も生まれてきます。

「目標がない」のではなく「目標が見つからない」場合には「目の前の仕事を把握すること」から始めて見ると良いでしょう。

業務に慣れてマンネリ化してきた場合にも「目標がない」と感じることがあるかもしれません。このときもやはり目標が見つかっていないだけかもしれません。マンネリ化する業務というのは同じ手順で同じ事を繰り返し行うことで発生する状況です。

そして、システムエンジニアの世界は決してマンネリ化できるような世界ではありません。常に新しい手法、新しい環境が生まれ更新されていく成長に限りの無い業界です。今現在、従来の方法で満足に運営できている状況だったとしても、数年後にその状況が覆されたり古いものとなっている可能性もあります。

新しい技術や方法を学びましょう。それは1つの明確な目標となり、業務事態にもハリを保たせてくれる事になるかもしれません。「あの方法でこれを設計すればこうなるかな」といった具合に新鮮な設計方法を考えてみるだけでも業務に意欲が出てくるはずです。

「目標がない」ときは「自分が知らないことが分からない」という状況かもしれません。自分が分からない事について意識を向けた途端、目標は噴出するように吹き上がるはずです。

例えば「自分が習得していないプログラム言語を習得する」という目標を掲げるだけでも刺激的な経験になるでしょう。もちろんその際は習得範囲を定めたり、習得できるであろう期限を定めて成功体験ができるようにしておくことが肝要です。自分が今まで見ていなかったところに目を向けて目標を作り出してみましょう。

なぜシステムエンジニアは目標設定をしなければいけないのか

そもそも目標設定がシステムエンジニアに必要か不要かという話ですが、これは本来的には不要です。目標を設定していなくてもシステムエンジニアとして働くことは可能でしょう。

ただ、目標を設定する過程で問題点を洗い出すことができますし、それによってより効率的な会社運営をすることができるようになります。例えば目標設定を作るために設計ミスの統計を作れば、そのミスがどのような種類で何件発生しているかが判明するはずです。

そして、目標として「○○という設計のミスが多い。この点に注意して、これまでよりミスの件数を少なくしよう」という事を設定することができるでしょう。この目標が機能すれば結果としてミスは減少し、品質の良い設計をすることができ会社の損失を抑えることができ、利益は大きくなるわけです。

また、目標設定は個人的な技術的関心においても有効に働きます。例えば「プログラム言語を学ぼう」と考えより詳細な目標設定をしたとします。その際、1日目の学習目標を「標準入出力の理解」と定めれば具体的な学習範囲が明確になり学びやすくなるはずです。

また、それを達成すれば2日目に新しい課題をこなすことになるでしょう。そして1ヵ月後には十分にその言語を扱えるようになっているかもしれません。個人的な学習においても目標設定は有効に働く方法なのです。

システムエンジニアにとって本来目標設定は必要ではありませんが、システムエンジニアの成長にとっては有効な手段となります。業務が複雑である分、明確な目標と言うのは成功体験を通じて成長速度を速めてくれるのです。

目標設定と同時に「キャリアプラン」を考えよう

いかがでしたでしょうか。

エンジニアにとって目標設定とは自分の成長の道筋を作ることだけでなく、「自分が会社に対してどのような価値を提供するか」、「自分がどのようなキャリアプランを進みたいか」を考える機会でもあります。

しかし、自分のキャリアプランを考えていると、「このままの働き方でスキルアップできるのだろうか」「自分の求める生活は近づいているのだろうか」と不安になることってありますよね。

自分が求めるエンジニア像と会社が求めるスキルにギャップがある場合、働くモチベーションとしても、苦しいものあるでしょう。また、どういうキャリアを踏んでいくべきか見えないという方もいるのではないでしょうか。

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